五月



夏の予感の五月の背中に

身体をぬめりと塗ってみた



意地悪好きの天気雨が

通りすがりに囁いた



重くて背骨が軋むってさ

邪魔で腰がよじれるってよ



夏の予感の五月の背中は

おいらの身体を放り出し

羽を広げて飛んでった



アスファルトのシミとなったおいらの身体を

夏の予感の五月は見つけて



ふわぁっと二本足で踏みつけてった



こっちにおいでよ

こっちにおいでってば



夏の予感の五月はもうすぐ

夏に食われて消えてゆく



身体をぬめりと塗ってみて

五月に甘えていたかった

夏に食われておいらももうすぐ

アスファルトに浸み込んでゆくから

意気揚々と緑を唄ってみたかった



ほんの少し

ほんの少し





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